仙台のコンサートで高橋愛を見た感想を書きます。
ネタバレするので、隠します。








松戸で行われたコンサートとの比較になります。
高橋愛の笑顔に変化が表れた気がしました。
彼女はここ数ヶ月、大人びた笑顔を曲の随所に見せるようになっています。
今回もその笑顔は散見されました。ただ、松戸の時とは違う笑顔の見せ方もまた、見て取れました。
笑顔に『憂い』を込め始めたように、僕には見えたんです。




ラストキッス』のサビの部分。松戸で見た時は、いわゆる「大人びた笑顔」を見せていました。
でも仙台公演で見せたサビの部分の笑顔は、泣いているのか笑っているのか分からない、
笑顔の中に悲しみを含んでいるのか、悲しみの中に喜びを含んでいるのか分からない、
僕が今まで見た事もないような複雑な表情を見せていました。
高橋愛はなにかで、「笑顔の練習をしている」と言っていたような気がします。
仙台での彼女は、その笑顔に、曲が要求する感情を思い切り込め始めたように見えました。




言って見れば、高橋愛は『ラストキッス』を我が物とする、そのための端緒に付いたのだと思います。
そしてそれは『ラストキッス』だけではなく、彼女が練習してきた「笑顔」を我が物とするための端緒でもあるように思えるんです。
笑顔に、憂いの感情を込める。
それは、彼女が歌う曲全ての、クオリティの底上げにも繋がります。




大阪恋の歌』は今までで1番好きな表情を見せてくれました。
「すごいキスや♪」の部分で高橋愛が見せる笑顔。仙台でも、この部分は今までの「大人びた」笑顔でした。
この笑顔を、今まではそのまま他の部分にも持って行っていたように思っていたんですが、
仙台ではその笑顔は少なめにして抑えて、笑わずに歌う、もしくは「憂いを込めた」笑顔をする。
曲の世界がより深く、豊かになったように感じました。




『Memory青春の光』から『シャボン玉』への流れは、その感をより強くさせました。
Bメロの部分の「さようなら♪」は、去年聞いた時より抑えて歌っているはずなのに、その透明感は去年を越えている。
サビの部分でも時折見せる、「憂いを込めた笑顔」。去年より世界を複雑にしながらも、そこに感情をしっかりと乗せて来ている。
そして、感情を乗せたまま続く『シャボン玉』の爆発力。




「情」をステージに叩き付ける高橋愛はしっかりとここにいます。それも更に力を強く込めた高橋愛が。
「もっと、もっと、もっと!」
その僕の期待を遥かに超えて、高橋愛のダンスは加速していきます。胸のすくような、という言葉がふさわしい、
溜飲の下がるようなステージングを見せてくれました。



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仙台で高橋愛を見て確認したこと。
それは、彼女が表現を深めていたことでした。
松戸のコンサートの感想で僕は「それが楽しみだ」みたいな書き方をしましたが、楽しみであると同時に不安、
と言うと言葉が違うかもしれませんが、どうなっていくんだろうという漠然とした「もや」があったのも事実です。
でも、高橋愛はやはり高橋愛でした。わかっていたはずなのに、無意味に杞憂をしてしまっていたみたいで、
でもそれを確認できたのは、僕にとってはとても大事な事でした。




もう「もや」はありません。と言い切れない。というあたりがネガ坊主っぽくてナイスな部分ですが、
少なくとも今は、ちゃんと未来に向けて高橋愛を見ていける。
そんな気持ちになっています。
それが、高橋愛を見た自分に対して確認したことです。




高橋愛に対する確認。高橋愛を見ようとする自分に対する確認。
その確認をするために、僕は仙台まで行って来ました。
確認は終了しました。
僕は、高橋愛が好きです。