「俺は、夢を見ているのか?」
第一幕の緞帳が下りた時、そう自分に問いかけずにはいられませんでした。
でも、呆然とした意識の中、口元に確かに感じる、
濡れた、しおからい濃度が、その夢舞台が現実のものであることを物語っていて、
その時の僕は、自分の気持ちがいったいどの領域にあるのか、
嬉しいのか、楽しいのか、悲しいのか、辛いのか、それすらわからず、
わからないくらいに呆然としいて、ただしおからい濃度だけが、確かに口元に在ったんです。 「濃度」はそのまま、この2日間という時間の「密度」へと変わって行きました。
舞台を見ていてこれ程濃密な時間を過ごした事は、なかったかもしれません。
頭の中では言葉にならない気持ちや景色が渦巻いていて、文章としてまとめるのは難しいかもしれないんだけど、
次回から少しずつ、言葉に変換して書いていきたいと思います。
僕が流した、涙の理由(わけ)を。