瞳  

僕も彼女も、永遠の存在でいる事はできません。



僕の、彼女に対する想いも、永遠かどうかは、わからない。



時の流れが以外に意地悪なことを、僕は知っています。



忘れたい事を一瞬にして思い出させる。
忘れたくないことを、忘れさせてしまう。
だから、忘れてしまう日が、来るかもしれない。



それでも僕は、その流れに杭を打ち込みたい。
心の破片を埋め込んだ杭を。
確かに僕はこれだけの想いを込めたという証明のために。



心の破片を引きちぎって、
手を血だらけにして杭を打ち込んでいく。
高橋愛の瞳を思い浮かべながら。



そして、我に帰って日常の生活に戻る時、
部屋のドアを開ける時、
意地悪な時の流れに、ふと感謝する。



これだけ高橋愛の瞳を思い浮かべることができるんだから。