ふるさと    

高橋愛はこの曲の中で、センテンスを比較的短く切った歌い方をすることがあります。



ちょっと軽くジャンプするかのような、大きく一歩を踏み出すような、



何かをためらう時のしぐさのように。



高橋愛はこの曲の中で、語尾のピッチを上げることがあります。



何かを確認するように。




ピッチを、下げることがあります。



何かを、確信するように。






一曲、全てを高橋愛が歌う。
その歌を聞くことができる。
その時間だけ、高橋愛の世界の住人になれる。
どれだけ待ち望んだことかわかりません。



彼女は、紛れもなく「表現者」でした。
その世界を、極めてオリジナリティ溢れるものにしてくれました。
オリジナリティとは、人と人とを、「個」と「個」として結びつける力です。
高橋愛は、その歌を通してファンの一人一人と握手を交わしたのだと思います。
僕はもちろん、そのぬくもりを感じることができました。



「ふるさと」の感動的なイントロ。
そのイントロに匹敵する感動を、彼女の歌は与えてくれました。
僕の中で「ふるさと」は、完全な「名曲」になりました。



高橋愛の「ソロ」。
何物にも代え難い宝石です。
大事に、大事に、宝石箱にしまうつもりです。


ただ、その宝石箱には、何十でも、何百でも、宝石が入る余地があります。