9月24日


8時くらいに目を覚まして、身支度を整えて、
9時半くらいに、春江駅に到着。
僕の他に、数人のヲタが駅に降り立つ(見なかったことにする)。
駅の中には、ヲタしかいない(見ない見ない見えない)。



逃げるような早歩きで、縦貫道へ。
ついに来た・・・。ここに・・・。
歩を進める毎に、この地へ来た実感が強くなっていく。
GW以来の、この場所です。
今日は、朝から晩まで、ここにいるつもりです(いつもは昼くらいに帰ってしまいます)。



ミスタードーナツで休憩しながら、旅行での出来事をメモ帳に書いていきます。
例えば、もし自分の地元でこういう店に入ったとしたら、
普段の僕なら10分で出てきてしまうと思います。
この日は1時間くらい席を立つことなく過ごしました。
ノートに綴りながら、縦貫道を眺めながら、ゆっくりと過ごす。
僕の性格ではありえない事を、ここではすることができる。
本当に心を開放できているのが、自分自身はっきりとわかります。



10時半ころ、テツナリさんから電話があって、春江に着いた、とのこと。
ヨーロッパ軒にいるというので行ってみると、みなさんが待っていらっしゃいました。
車を止めて、歩いて「中学校」へ向かうことに。
みんなでゆっくりと歩いていくと・・・、見えてきました。
もう何回も見た光景ですが、何回見ても、胸が震えます。
いつもは車で通り過ぎるだけですが、今日はゆっくりと、中学が近づいてきます。
それにしても・・・


ヲ タ 多 す ぎ 。


あっちにもこっちにもそっちにも!!!
今日は平日ですよみなさん!!仕事は!?(キミは!?)




中学校の近くまで来ると、ピアノの音が聞こえてきました。
ピアノはマジ泣ける・・・。



再びヨーロッパ軒へ。
開店とほぼ同時に、全員で店内へ。2回の座敷に通されました。
貸しきり状態ですね。すんごいラッキー。


ここで僕は念願の、


「ビールを飲みながらソースカツ丼


を実行しました。
大門さんが「いいなあビール・・・」と仰ってました。
運転なさるので飲めなかったんだと思います。
申し訳ないなあ、と思いながらも
ビールがウ、ウマイ・・・(真昼間から飲む酒以上のものがこの世に?)。



ここでの話もテツナリさんが書かれる、と思うので、ひたすらカツ丼を食べましょう。



12時半くらいに食事が終わって座敷から出てみると、
おお、そこは一面のヲタ世界!!!
さすがに凄い光景だ・・・。
レジでソースカツ丼のソースだけを買う(2百いくらだったかな?)



ここで、僕だけ単独行動に戻る。
みなさんとお別れ、の挨拶をほとんどせずに一人でスタコラ去ってしまいました。
みなさんすいませんいっつもあんな感じなんです・・・。



雨が結構降っていたので、近くのショッピングモールで傘を買い、行動開始。
歩いて、九頭竜川まで向かうことにしました。
でも、市街を抜けたあたりから、雨がひどくなってきて・・・
横殴りになってきて・・・。
暴風雨になってきて・・・。
雷が鳴り響き(もう戻れよ)。
もう田んぼしかないところを歩いてて、
だんだん怖くなってきて(本当に雷が落ちるんじゃないかと思った)、
結局春江に戻りました。
戻ったら、はい小雨(もうええわ)。
この日は、一日こんな感じの天気でした。
大人しく、春江の中をブラブラすることに。



春江では、「田んぼ」のある風景を見るようにしてました。
道や家並みは、愛ちゃんがいた時と変わってるかもしれないけど、
「田んぼ」の色は、変わってないんじゃないかな、と思って。
そして、すこし入り組んだ路地にも入ってみました。
愛ちゃんも好奇心から、自転車で入ってみたかもしれない、と思って。



この日は平日だったので、春江は、いつもの日常の中にいます(ヲタが蠢いているのを除けば)。
工事のショベルカーの音。工場の機織機(はたおりき)の音。お母さん達がおしゃべりしてる声。
高橋愛が聞いていたであろう、日常の音は、高橋愛をより身近に感じさせてくれました。



3時から4時の間、またミスタードーナツでメモを書く作業。
時々、いや頻繁に、ヲタが通り過ぎる。
まだいるのか・・・(さっきから自分を棚に上げてるのは何様のつもりなのかしら?)。



店を出る。
そろそろ何か買おうかなあ、と思って、
「五月ヶ瀬」の春江店に、テクテク歩いていきました。
そしてその場に到着した時、呆然としました。


潰れてる・・・。



僕はこの地へ来た時、ここで「五月ヶ瀬」を買わなかった事がありません。
ここで始めて買った時のことは、今でも覚えています。
あの時は、すごく道に迷ったんだよなあ・・・。
なんで、なくなるかなあ・・・。



ただ、なくなったことにより、その思い出が、その輪郭を強調して心の中に
残る事になりました。
それが、高橋愛への想いを、更に深いものにすることに繋がっていきました。



5時過ぎ。
さすがに、ヲタは全く見かけなくなりました。
日が、落ちてきました。
街に明かりが灯る。
車がランプを付け始める。
父親が仕事から家路に急ぎ、
少年や少女が部活から、帰宅の途に付く。
更に暗くなってくる。
街が、その表情をはっきりと浮かび上がらせてきました。



それは、あまりにもリアルな光景でした。生活の香りが、街を全く違った雰囲気に変えていました。
もう、高橋愛がいつ現れても不思議じゃなかった。
自転車で通り過ぎる少女。
両親と手を繋いでレストランに入っていく女の子。
書店に、恋人と仲良さそうに入っていく女性。
この街を過ぎていく人全てと、高橋愛を重ね合わせることができました。
これほどドキドキしながら、街を歩いたことは、今までなかったかもしれません。
「ここに来て、本当によかった」
心の底から、そう思いました。



居酒屋で軽くビールを飲んで、
6時半ごろに外へ出ると、ほとんど闇に包まれていました。



僕は、もう一度、中学校を見に行く事にしました。
ゆっくりと歩いて行くと、闇の中に、廊下の明かりが灯っていました。
頭の中で、高橋愛が歌う「ふるさと」の再生を始めました。
もう周りには、この場所を見るために訪れている人は誰もいません。
さよならの挨拶をして、千路に分かれていく子供達。
ピアノの音は、もう聞こえませんでした。
遠くで雷が光り、
校舎が一瞬青く浮かび上がり、また闇に包まれていく。
頭の中では、「ふるさと」のリフレイン。



また、雨が降り出してきて、僕は傘を目深にさしました。



嗚咽を堪えるために口元に当てていた手を隠すために。



校舎から離れて行く時に、何回も何回も振り返りました。
何回も。何回も。




「停止ボタン」が壊れてしまったのか、
春江から離れるまで、頭の中の「ふるさと」が鳴り止むことはありませんでした。








福井市の居酒屋で飲みなおし。
テレビを見ていて、思わず唖然としました。


「シカ、逃亡」


よくわかりませんが、鹿が何処かから逃げて、そこらじゅうを走り回ってたらしいです。
時間を見てみると、僕が外に出る、30分くらい前みたい。


しまったあ〜!!その場に居合わせたかった!!!
「さあこれから愛ちゃんのふるさとにいって心の底から愛ちゃんを想って」
とかキモい事を考えてる目の前を鹿が駆け抜けていったら!!!!



完 全 に 勝 ち 組 だ っ た の に ! ! ! (鹿にまたがって聖地入りというのもいいな←くだらね〜)