最近は日が落ちるのが早くなって、仕事が終わって帰る時にはもう真っ暗だったりします。
仕事帰りにまだ空が明るい季節なら、いろんな景色が見れるし、そこに高橋愛を映し出したりすることも出来るんですけど。



夜の街灯の下に映し出すことはできるんですが、笑っていない愛ちゃんが多いので、
だからあまりそういう気にはならない。なれない。



9月に行った『あの場所』では夜まで過ごして、その時に街の中に映し出された高橋愛はみんな嬉しそうだったのに
例えば今日の帰り道に、夜の中に浮かび上がる彼女は悲しそうな表情を浮かべている。



そういう『残像』って結局は自分の心の投影なので、自分が嬉しい時には愛ちゃんも嬉しそうだし、
きれいな景色の中の愛ちゃんは例えようもないほどきれいだし、仕事で疲れ果ててる時には、愛ちゃんは笑っていない。



僕はあまり夜が好きではないので、それで多分愛ちゃんも笑っていない。
無理矢理に笑って欲しい、とも言えない。



数ヶ月前、狭心症かもしれない、と思ってベンチに座ってうなだれていた時に
目の前に現れてくれた愛ちゃんは確かに微笑んでいて、そこにはやっぱり、何かにすがりつこうとする
自分自身が見て取れる。



そして、そういう高橋愛を空想する自分自身が嫌でたまらない。
どうして笑わせられないのか。どうしてそんな微笑をさせてしまうのか。
どうして、こんなに弱いんだろう。



夜の街灯の下に映し出す高橋愛を、例え一瞬でも笑顔にする事ができるなら。
その笑顔は、僕にとってかけがえのないものになるはずなのに。