松戸のコンサートで高橋愛を見た感想を書きます。
書くのは一曲についてだけです。しかもあまりそちらの文章は長くなくて、他の事書いてる率が大きいです。
てってけさんが今日の更新でトラックバックされていた内容とちょっとカブるっぽい部分もありそうなんですが、
前から考えていた事なので、そのまま書いてしまいます。




ネタバレするので、隠します。







最近の高橋愛のステージングを見ていて感じていたのが、
「落ち着いた、抑えたパフォーマンスをするようになったな」という事でした。
この夏に行われたハロー!プロジェクトのコンサートでもそう感じました。
その萌芽はこの春に行われたモーニング娘。コンサートの後半あたりから感じていました。




そのあたりから、愛ちゃんは自パートの歌い終わりに「大人びた笑顔」を顕著に見せるようになった記憶があります。
その当時の僕自身の感想でも、確かそう書いていたと思います。
大阪恋の歌』が歌われるようになったあたりからです。
そして同時に、歌い方を意識して抑えているのかな、という場面があったようにも思います。
『声』の最後のフェイクの部分などは特にそう感じました。




夏のハロー!プロジェクトのコンサート。
『色っぽい じれったい』『印象派 ルノアールのように』でもその笑顔は顕著に見られました。
そしてダンスは全体的により落ち着いて、弾けたようなダンスよりも、より抑え気味の、大人びたダンスが見られるようになりました。
つんくさんは新曲について「悪い笑顔を出すように」という 指示を出していたようです。
『大阪〜』以降の愛ちゃんがセンターを取った3曲は、可愛さやとびきりの明るさよりも、大人の雰囲気を要求される曲だと思います。




愛ちゃんは自分が要求されている物が何なのかを考えて、
そのパフォーマンスのベクトルを「大人の雰囲気を出す」という方向に変えたような気がしているんです。
例えばダンスなら、腕の振りなどは以前との比較として抑え気味にして、その代わりディテールをしっかりと取るダンス。
そういう方向を愛ちゃんは模索しているような気がしています。
そう思うようになったのは、大阪でのハロー!プロジェクトのコンサートでエレジーズを間近で見てからです。




エレジーズのダンス、以前の愛ちゃんならもう少し大きく激しい振りをしていたような気がするんです。
でも愛ちゃんは腕を左右に広げる時でも、結構スッと腕を出していました。ちょっと、あら?、と思うくらいに。
でも小刻みに体を動かしたりする振り付けの時は凄まじい振動を感じさせるような力強い動きを見せたり、
指の動きや足のステップがとても綺麗に決まっていたり、と、細かい部分の完成度がとても高かった記憶があります。
以前よりは動いてないように見えて、その実以前よりも更に気を使って動いているように見えたんです。




愛ちゃんはそういう方向にパフォーマンスを転換していっているような気がするんです。
それは、愛ちゃんが要求されている方向がそうさせているんじゃないかなと思うんです。
より抑え気味に、より落ち着いた表現。
それが今、愛ちゃんが目指している表現のような気がしています。
そして、今日書く感想の曲は『ラストキッス』です。




□  『ラストキッス



この曲は、終始抑え気味のメロディが続きます。『Memory青春の光』のように感情のままに歌い上げる、という部分が
それほど多くありません。サビの部分ですら、ある程度「落とした」歌い方が求められる曲だと思います。
そうやって抑えたメロディだからこそ、コーラスを伴ったボーカルのハーモニーが冴え、他の楽器と渾然一体となっていく。
それが初期のタンポポ独特の世界を作っている理由の一つだと、僕はそう解釈しています。
愛ちゃんは、その曲を「次の課題」として提示されたのではないか、と思っています。




その世界をどうやって「高橋愛の世界」にしていくのか。
松戸のコンサート会場で、この歌を歌っている時の愛ちゃんを見て、僕は1つ「違和感」を覚えました。
サビの部分で愛ちゃんが、あの「大人びた笑顔」を見せたんです。
僕は、この曲で笑顔を見せる箇所はない、と思っていたので、少し驚きました。
でもその違和感は、僕にとってはむしろ嬉しい感覚です。




大切なのは、「曲」よりも「人」です。
ラストキッス』は僕にとってとても大切な曲です。
でも僕はこの名曲を「踏み台」にして自らの表現を深めていく高橋愛が見たい。
もっと違和感を感じても構わない。僕が愛した『初期のタンポポの世界』から、
もっと愛すべき『高橋愛の世界』へと自らの住処を移して行きたい。




高橋愛が『ラストキッス』で見せた「笑顔」。
その「笑顔の行方」を、僕はこのコンサートを通して見てみたくなりました。
見る事が出来る公演数は限られていますが、その数の中で精一杯、高橋愛の行き先を追い続けていけたら、と
自分自身に願わずにはいられません。




□  □  □




・・・で、感想終わりです。
ちょっと、やっぱり難しいな。なんか、全体を通して辻褄が合ってないような。
最後の部分、もうちょっと書けるような気もするんだけど。ちょっとまだ言葉足らずで。
本当は、曲のイントロが流れてステージに出てくる愛ちゃんを感極まった文章で書こうかとも思ったんですが、
それはまた書けるし、今回は抑えた書き方にしてみました。




以上、トンデモタコ坊主の感想でした。それでは逃げます。さようなら・・・。