自動ドアが低く唸るような音を立てて開いた瞬間、目に飛び込んだ雪の世界。
思わず見上げると、暗い空。
その空から降りてきて、会場の照明に照らされると白く光り、浮かび上がり、
そして地表に落ちていく雪。
僕は一生忘れないと思います。




ちょっと空気を読めてない、みたいに結構な振りっぷりも、
積もった雪をギュッと踏みしめる音も、
白く彩られた街並みも、道路も、
融雪の噴水も、その水の流れも、




やがて雪が穏やかになって、川面に反射する光みたいに時々、白く輝くようになって、
歩くのが楽になって、通り過ぎる車の水を跳ね上げる音といつもより眩しく見えるテールランプがやけに印象的で、
ギュッと踏みしめていた音が次第に融けて崩れ始めた、そんな音も、
そんな音を楽しんでいる自分も、
その時自分の中に流れていた音楽も、




あの日の  ふるさと  のすべてを、
僕は一生忘れないと思います。