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『夢から醒めて』の更新は、今日でひとまずおしまいです。
最後は、やっぱり、高橋愛の歌声について。
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まず、ヴィヴラートがとても綺麗だな、と感じました。
高橋愛のヴィヴラートはゆるやかに朗々と揺らすのではなく、小刻みに震わせるタイプです。今まで彼女の歌を聞いてきて、そのヴィヴラートの部分が不安定になりがちかな、という印象を持っていました。例えば、その部分で今までの歌の流れから途切れるみたいに強勢になってしまったり、震わせている時のピッチが一定ではなかったり。
『夢から醒めて』でのヴィヴラートは、おそらく今まで聞いてきた中で１番、メロディや自分の声の流れに自然に、素直に溶け込んでいるような気がしました。
それから、すごく「可愛い歌い方」をしている箇所があるな、と感じました。
愛ちゃんは、普通の喋りの時にいわゆる「ロリ声」というのを使う事があります。時々「ロリ声と歌声のギャップがいい」みたいな言い方、されるんじゃないかなと思います。
高橋愛はこの曲で、その「ロリ声」っぽい歌い方をする部分があるように思います。Ａメロの「だけど恋しくなる」の部分とか。歌の時にそういうロリ声を出す事はあまりないんじゃなかな、って。かしましの「オジサン大盛りね〜♪」くらいじゃないかと思うんです。特にこの曲は、決して「アイドルとしてのカワイイ系」ではないので、そういう類の曲でロリ声を出すというのは、珍しい、というか、聞いた事がないような気がします。
ロリ声ロリ声言ってるのもナンなんですが、言いたい事はつまりは、高橋愛は自分の持っている声色を全て、丁寧に使えているのではないかな、という事です。ヴィヴラートにしてもそうですが、とにかく丁寧に歌っているな、という印象をとても強く持っています。
ファルセットにしても印象は同じで、とても丁寧で、綺麗。それに、ファルセットの歌い回しを微妙に変えて表現に変化をつけているように感じました。
Ａメロの「恋しくなる」の部分は、ヴィヴラートを使って、口をすぼめるように、消え入るように。
同じくＡメロの「おかしいでしょ」の部分は、ヴィヴラートを使わずにメロディに変化をつけて、やはり、消え入るように。
サビの「越えてゆくわ」「あなたはここにいない」の部分は、上の２つの時みたいに収束していくのではなく、大きく広がるように。
そうやって少しずつ歌い方を変えていて、そういう部分を聞いても、このゆっくりとしてテンポの曲で丁寧に歌いこなせているんじゃないかな、と思いを強くしました。
そして、『夢から醒めて』の高橋愛の歌い声を聞いた全体的な感想がもう１つ。
「全てが結実していこうとしている」
彼女の、モーニング娘。に入る前の、合唱部等の活動と、モーニング娘。に入ってからのポップスシンガーとしての活動。 彼女が持っている、あらゆる声質。
そういう、彼女が持ち合わせている、あるいは培ってきたあらゆる要素が１つに結実しつつある、歌声の個性となりつつある、そう感じました。
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これで感想はおしまいです。
今でもやっぱり聞いてると胸の鼓動は高鳴るから、その鼓動の合い間をすり抜けるようにして書いた感想です。
気持ちは、またいつか、鼓動を文章とする事ができるようになった時に、その時に書きたいと思います。