先週見たモーニング娘。のコンサートについて、感じた事を書いてみようと思います。
会場はグランキューブ大阪でした。
隔日で、5回に分けて書く予定でいます。お題、という程のものでもありませんが、2回目は「さゆみんガキさん」、3回目は「ガキさんと愛ちゃん」、4回目は「愛ちゃん」、5回目は「よっしー」について、思うところを綴っていこうと思います。
1回目の今日は、亀ちゃん、そして、そこから娘。全体についての想いへと。
文中にセットリストに含まれる曲名が出てくるので、「続きを読む」で隠します。
今回のコンサートはメンバーが少人数(一人や二人)で登場するパターンが多かったように思います。ですので、個々のメンバーをよく見る、という、今までなかなか出来ずじまいにいた事が出来ました。ファンとして突き抜けた感情を抱いているのが高橋愛である以上、彼女がステージにいる時は、やはりそちらに視線が向いてしまうのは当然と言えば当然なんですが、と同時に、他のメンバーについてもう少ししっかりと見たいな、という気持ちは常に持っていました。
そう言った意味で、かなり自分の意に添う形となっている構成でした。幾つか印象に残るメンバーや場面があって、その中に亀ちゃんがいます。
□ シャボン玉
まず蛇足から話をすると、一定した図太いリズムと激しいヘッドバンキングを伴う『シャボン玉』は、語弊を恐れずに言うとトランスに入りやすい、もうちょっと普通に言うならテンションを上げやすい曲なのではないかと考えています。ですので、今回のツアーでは2人で歌っていますが、2時間弱に渡るライブの中盤あたりにこの曲を置くと、ちょっと疲れ気味のノリを元に戻すカンフル剤のような役割を果たせるのではないかと感じていて、実はかなり好きな曲だったりします。
話を元に戻すと、この曲での亀ちゃんの何が印象に残っているのかというと、キレていた所です。
歌のキレとかダンスのキレとかそういう意味ではなくて、要するに、ブチ切れていた、という事です(笑)。
でもそういうのが個人的に好きなんですよね。ステージ上で、言葉や理屈の一線を越えた人の凄み、みたいなものを見るのがとても好きなんです。
曲中、亀ちゃんがカメラに向かって下から睨め上げ、ステージにあるモニターにその表情が映し出されるという場面があります。その時の目つきは、これがDVDマガジンでノホホ〜ンと美味しそうにカレーを食べてる人と同一人物なのかと訝しんでしまう程激しく、激しいが故に美しいものでした。また、台詞を言う場面で最後の「抱きしめてよー!」がちゃんと言えていない公演もありました。でもそれは全然構わなくて、むしろ感情の奔りがとても見て取れるので、そうするとこちらの気持ちまで昂揚してきます。
そう言った様を垣間見る事ができるのは蛇足に書いた『シャボン玉』の持つ力にも理由があると思っていますが、亀ちゃんについて、より印象に残っているのは、そのテンションの高さのまま突入していく次の曲です。
□ 恋ING
「亀ちゃん、泣いてるんじゃないか?」というくらい、目の表情は一変。
胸を詰まらせるような恋心、それに対する喜びのようなものが見事に表れている、シャボン玉のテンションをそのまま180度ひっくり返したように穏やかでか細い目の表情には、素直に魅せられました。
以前の亀ちゃんに、時折不安定な部分を感じられないでもなかった歌唱も、ミュージカルの成果もあってか安定していて、高めかつハスキーな歌声は、CDでメインとして歌っている他の2人とは違う、おそらくは最も「女の子っぽい」世界をその表情と共に作り出していると思います。
亀ちゃんのレベルアップについてはミュージカルの時に、騎士としての独唱部分で感じてはいましたが、『恋ING』でここまで感じ入る事ができるとは思っていなくて、面食らったというか、嬉しい驚きで一杯になりました。
そして、震える程感動したのは実はこの後からです。
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2人の歌の後、メンバーが出てきて8人全員が揃った時です。
モーニング娘。」を今回のライブで最も強く感じたのは、この『恋ING』でした。
例えるなら、『青空がいつまでも続くような未来であれ!』で感じるモーニング娘。の世界が“ALL FOR ONE”だとするならば、『恋ING』で感じたモーニング娘。の世界は“ONE FOR ALL”だったのではないか、と思っています。
亀ちゃんが作った世界にメンバーが入ってきた時、「モーニング娘。」に、新たな世界、新たな色が加わったように感じたんです。
一人に世界が、みんなの世界になっていく。
一人のレベルアップが、みんなの力になっていく。
そうやって変わり続けて行くことが、変わらないという事でもあるんだ。
この曲の中に佇む8人を見て心からそう感じて、だからすごく感動して、そしてまた、この曲を一段と好きになりました。